新湊の白えび漁船は、この「富山湾にしかない恵み」を守り続けていくため「プール制」を導入しています。

白えび漁の期間は、2班に分かれて1日おきに操業します。全体の水揚げ量を調整しながら、水揚げ金額をプールし、各船に均等に分配する仕組みです。この方法で過度な漁獲競争を抑え、資源を最優先に考え、維持してきました。

稚魚が混獲されたときや、豊漁となり魚価が低下の恐れがあるときは直ちに操業を取りやめ、白えび漁業者たちで協議し、その後の操業回数を減少させるなどの対応策を施します。プール制を導入しているからこそ、漁業者同士の競争を抑止し、スムーズに自主休漁、操業制限を実施することができるのです。そうして資源枯渇を未然に回避、持続的な資源を自らの手で守り続けていくのです。

もう一つのメリット

プール制を導入することで、もうひとつのメリットが生まれます。それは「技術のシェア」です。ベテランの漁業者が何十年という期間をかけて会得した技術を、惜しげも無く若手の漁業者へと伝えていきます。そこにあるのは「競争」ではなく「共有」。「今の時期のエビは沖で浅い水深で群れになる」とか「この深さのエビは稚魚がよく混ざる」という具合に、経験することで得た知識を、まだ経験値の浅い若手に教え伝えていくことで、白えび漁のクオリティを維持し、未来へと繋いでいきます。そして、若手はまた新たな課題へ取り組み「進化」していく。これもまた「持続可能」な取り組みの一つとなっていくのです。

海のエコラベル『MSC認証』の取得

このような持続可能な漁業を追求していく上で、さらなる発展を考え、新湊の白えび漁では「海のエコラベル MSC認証」の取得を検討しています。これは、海洋の自然環境や、水産資源を守って漁獲された水産物に与えられる認証ラベルです。消費者がこのマークのついた水産物を選ぶことで、世界の海洋保全を間接的に応援できる仕組みとなっています。

「海のエコラベル MSC認証」についての詳細はこちら

現在、富山湾しろえび倶楽部ではMSCの予備審査を受けておりますが、コロナウィルスの影響により全ての工程がストップしております。一刻も早く事態が回復するよう願うばかりです。また、費用面などの課題もまだ道筋が立っておりません。クラウドファンディング等の仕組みを利用することも視野に入れながら、模索しているところであります。

詳細が決定しましたら当サイトでも告知させていただきますので、何卒あたたかいご支援を賜りますよう宜しくお願い致します。